妄想家Mの内的冒険


奈良の妄想家Mの創作ブログ。ご用命はmademoisellem@excite.co.jpまで。
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男と寝る






わたしが最初に一緒に寝た男は父親で、結局父親以外の男と寝たことがないのではないか。






どうした訳か、どの男の人と寝ても、わたしは昔父親と隣り合って眠っていたころを思い出す。







父親と一緒にダブルベットで寝ていた頃、わたしはもう父親と一緒に寝るにはいささか大きく、たしか13、4歳くらいだったかになっていた。わたしはそれを、本当の幼少期に父と離れて(父はわたしが子どもの頃、家を離れて出稼ぎ紛いのことをしていた)ものだから、その反動で、もう一人で眠るべきいい年齢ではあるものの、一緒に暮らせるようになったものだからここぞとばかりに、無闇に父親にくっつくようになったのである、子供時代の男親の欠乏を今ここで補っておるのである、と、身長165cmを越えた女が親父と一緒に寝ている言い訳を、自分で自分にしていた。








父はやや肥満気味であるために睡眠時の呼吸が不規則になりがちで、隣で寝ていて父の苦しげな息づかいを聞いているとこっちまでつられて呼吸が苦しくなったものだが、それでもその息の吸う音、息が出ていく音、胸の中の響き、が、小さな電気がぼんやりと灯った寝室の中に溶けていくさま、上下する父の胸郭の動きを横目で見ていると、

「あぁ、父は生きていて、息をしていて、遠くにいるのではなく今確実にわたしの横にいるのだなぁ。」

という実感にわたしは思わず涙ぐんでしまったものだった。










どうもわたしにとって「男性と寝る」という行為の原体験は、この父親と二人きりで眠っていた日々にあたるらしいのだと気がついたのはごく最近のこと。






わたしがこれから何人の男の人と何回寝て、どんな気持ちいい、あるいはくだらない、夜を過ごすのかは全くわからないが、どの男の人も結局、父親の紛い物であるような気がしないでもない。わたしにとって、男と寝るというのは、父親と隣り合って眠っていたあのダブルベットの中の、布団とベットの間のぬくみに還るための行為であるような気がしないでもない。






つまり、わたしが一番寝たいのは、おそらく父親、といっても今現在の父親ではなく過去の父親、もうこの世には存在しないわたしが子供の頃の父、出稼ぎから帰るのを幼いわたしが待ちわび続けていた父、遠くにあり決して手で触れられぬ父、神としての父、なのだろう。
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by mademoiselleM | 2010-04-27 01:21 | おしゃべり
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